小樽運河のシャケが気になって

 

「浅草橋のあたりにシャケがたくさんいるらしい」
「妙見川では産卵してるみたい」
こんな情報を目に、耳にして、じっとしていられる人間ではないんです、私。
『小樽人』に載せなくては!という使命感は、後付けの理由でしょう。

 

この目でたしかめなくちゃ! と小樽運河に足を運んだのは10月5日。
浅草橋とは、運河にかかる4つの橋の一つで、一番札幌寄りにあります。
そして小樽駅方面へ、中央橋、龍宮橋、北浜橋とつづきます。
 
浅草橋に着くと橋の上から運河を覗き込んでいる人や
カメラを向けている人が目に入ったので
「いるな……」と思いながら鞄の中からカメラをゴソゴソ。
下をのぞくと!!!!
たくさんのシャケが活発に泳ぎ回っていました。
その一方で、既に息絶えたシャケもちらほら。
 

nk121013_01.JPG

 
浅草橋のところで行き止まりです。切ないですよね。
※行き止まりというのは間違いでした。
そう見えましたが仕切りを超えて、妙見川へと遡上していました。
(10月14日放送 NHKニュースより)
 
 

nk121013_02.jpg

 
シャケを確認し終えてから、運河をそぞろ歩きました。
 

nk121013_03.JPG

 
以前書きましたが、
小樽運河の埋め立てで、小樽が揺れていた頃、
運河の水質研究をしたことがありました。
 
ヘドロを採取したり、水を汲み取ったり
それはそれは恐ろしい作業でした。
あの頃の運河はとても臭くてあまり人は近寄らなかったと思います。
そこにシャケが大挙してくるなんて、当時は想像すらできませんでした。
現在、運河の水はとてもきれいです。
 
そんなことを思い出し、石畳の上を歩いていると
「写真撮ってくれませんか?」と女子高生から声をかけられました。
「いいですよ」というと
「ジャンプしているところを撮ってください!」と。
 
「え、ジャンプ?」
 
最近はそんな撮り方をするのね、と妙に感心してしまいました。
1回目のジャンプでパチリ。
念のためと言ってもう一度ジャンプしてもらってパチリ。
そして、せっかくなので私の分も撮らせて! と3回目のジャンプでパチリ。
 

nk121013_04.JPG

 
彼女たちは修学旅行で四国から小樽に来ているとのことでした。
元気でいいね!
良い旅を! と言って別れました。
 
私も今度ジャンプしたところを撮ってもらおうかな(笑)
 
運河の散策を終え、次に向かったのは
産卵が噂される妙見川です。
 

nk121013_05.JPG

 
浅い浅い川でシャケが泳ぎ回っていました。
 

nk121013_06.JPG

 
コンクリートの深みに産卵しているようでした。
天敵がいなければ孵るのかな……などと思いながらのぞいていると
アジア系の観光客らしき男性がそばで川をのぞいていました。
なんとなく話をし、どこの国の方か聞いてみると
シンガポールの方でした。
 
日本語が少しわかる方だったので
私の超片言の英語と、彼の日本語の理解力で
川にいるシャケをとってはいけないこと、
シャケのタマゴ、イクラが美味しいことを理解してもらいました(多分)。
 
例外は北海道標津町にある忠類川です。
調査のために、川でシャケを釣ることができる国内で唯一の川です。
現在、調査期間ということで、申し込みをした釣り人は
シャケ釣りを楽しんでいることでしょう。
 
この時期に川に釣りに行くと、よくシャケに出会います。
淵を元気に泳ぎ回っているものもいれば
川にたまった落ち葉の下から、力なくぬーっと現れるものもいます。
そんなシャケは、からだのあちこちが白くなっています。
自分の使命を終え、あとは死を待つばかりです。
 
すごく尊いものを見る気がします。
私が生前最後の姿を見届けたような、そんな気持ちにもなります。
「わかったよ、わかったよ」
 
 
あれこれ感傷的なことを書きつつも
秋になると週に一度くらいは焼きシャケが食卓に上ります。
 
どちらも私とシャケの現実です。
 
ということで、運河、妙見川のシャケを確認してきました。
今年は数がとても多いらしいですね。
川の清掃に取り組んでいる方々のおかげかもしれません。
気象条件などの自然の影響かもしれません。
シャケの不漁がささやかれるなか
小樽にはたくさんきてくれたんですね。
 
 
そして、小樽猫のなかには生のシャケが好きな猫がいます。
「ゴハン」を言うサンバです。
一度、友人に出したお刺身を一切れ盗み食いしました。
それ以来シャケ好きです。
盗んだシャケの味は格別なんでしょうか。
ね、サンちゃん!
 

nk121013_07.JPG

 
盗み食いは、蜜の味♡
今日もシャケ、ボクに多めでよろしくニャー。 
ゴハーーーーーーーン! ゴハンーーー! ゴハンッ!