田代島2日目は、ツアーのメインともいえる朝の漁港へ。
午前5時に起床し、5時30分くらいに二斗田港に向かいました。
まだほの暗い港にはすでに漁から戻った漁船がいて、
漁師さんたちが魚を網からはずす準備をしていました。
猫が一匹、二匹、漁師さんを取り囲むように集まってきます。
漁師さんが切った鮭を投げると、それを捕まえた猫からムシャムシャ。
他の猫にとられないように、用心しながら食べます。
包丁を見つめる猫と鮭を見つめる猫。
状況説明なしでこの写真を見るとけっこうヤバイ一枚です。
作業している足元には海水が押し寄せています。
これも3.11による地盤沈下だそうです。
猫たちも足元が濡れています。
冷たそうですが、猫の肉球の皮はけっこう厚いそうです。
後から来てもらいそびれた猫もいます。
「寝坊しちゃったニャー、ぶすっー」
猫にあげる小魚がかからなかった漁師さんもいました。
常連猫がお腹をすかせて番屋をのぞきこんでいました。
私たちもお腹が減ったので、宿に戻ります。
宿の庭に鮮やかな赤、北海道では見られない彼岸花です。
そして、宿の前庭では仔猫たちが……
ひだまりのなか、上になったり下になったり、相撲? ケンカ?
ニャンとも幸せな時間が流れます。
これ成猫だったら本気の喧嘩になっちゃうんですよね。
そして、この後は念願の猫神社へ行きました。
江戸時代後期に出来たという猫神社。
雑誌で猫神社の存在をはじめて知ったときは、なぜだか
「やった!」とか「やっぱり!」とか
心のなかでガッツポーズをしたことを覚えています。
猫神様信仰?
お参りを済ませ、ほこらの周りを歩いているときに
私をドキッとさせるものが。
草むらにたたずみこちらを見ているのは、黒猫? 猫の神様?
近づいてよく見ると、それは猫ではなく、杭のようなものでしたが
そうと分かるまでの10秒くらいは、私、不思議の国にいました(笑)
神社を後にし、今度は島の南側のエリアへ。
ギリシャ? エーゲ海?
行ったことはありませんが、そんなイメージを持ってシャッターを切りました。
そんな風に見えますか?
猫を撮影していると
「上がって一服していって」と島のお母さんに声をかけていただきました。
お茶をごちそうになりながら猫のこと、震災のことなどについて
お話を聞きました。
私たちを招き入れてくれたお母さんは海女さんです。
震災のその日、目の前で海が20メートルほども盛り上がる様子を目撃。
それまで見えていた向こうの島が盛り上がった海で見えなくなったそうです。
「父さん、田代島が壊れる!」
「大丈夫だ、大丈夫だ!」
そのときのご夫婦のやりとりです。
海を横目に当時の様子を想像し、身震いしました。
お母さんは、ショックで海に潜れない日がつづいたそうですが
「11月になったらもぐってみようかな」と話していました。
次に向かったのはマンガアイランドです。
海を一望できる見晴らしのいい高台に
漫画家の里中満智子さんやちばてつやさんなどがデザインしたロッジが並びます。
センターハウスには30人の漫画家の原画が展示されているそうです。
施設の電気は太陽光でまかなわれています。
送迎も電気自動車、しっぽが生えています。
営業は9月までで、施設の中を見ることはできませんでした。残念。
ここで、ハナタロウさんに会いました!
「ふん、そんな指なんか出したって……」
「カプ」
ハナタロウさん、もの静かだけどおちゃめ!
ツアーで予定されていたポイントをすべて巡り終え、
最後にもう一度、タロウがいるエリアと二斗田港エリアを案内していただきました。
これが本当に最後です。
まったりしているタロウ。
「おっぱいちょーだい」「えー、またー!!」
猫の子育て風景は美しいです。
人もしかり。
これから厳しい冬がやってきます。
秋に生まれた子の半分くらいは冬を越せないそうです。
おっぱいをたくさん飲んで大きくなって、どうか元気に育ってね!
と、ここで電池切れ……。撮りすぎです。
田代島に行くときは必ず予備のバッテリーを持って行きましょう!
想像以上にシャッター押しちゃいますから。
帰りのフェリーはマーメイド号です。
この日はけっこう波があり、船首がザブンザブンと波をかぶっていました。
猫の島、田代島。
また来よう、と心に決めなければ立ち去りがたい場所。
それほど島の猫たちに愛着がわいてしまいました。
この旅で出会ったすべての猫ちゃん、そしてすべての人に感謝!
nekoneko@otaru-jin.jp
●田代島情報関連リンク
Cats in Town Blog 田中良直さんのブログ
社団法人田代島にゃんこ共和国 (田代島にゃんこ・ザ・プロジェクト)
●宮城交通(石巻ー仙台 臨時バス)
●フェリー(石巻〜田代島〜網地島〜鮎川 定期便)
※いずれも2012年10月29日時点のリンクです。ダイヤ改正などにご注意ください
「おかえりニャさい。田代島、いいところだったでしょ? タロウ元気だった?」
「えっ、ワルちゃん、きみ、なんで……」