ニシンの季節

北海道で春告魚と言えばニシン。
1月10日から小樽でニシン漁が解禁になりました。
この寒さの中、ニシンはどこかに春を感じているのでしょうか……ね。

初物って心が躍るものです。
友人から「これからニシンを届けるから」と連絡をもらったのは11日。
朝に上がったばかりのニシンをトロ箱でいただきました。
この日の漁はというと、そうたくさん獲れているわけではない、とのことでした。

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氷の中から姿を現したニシンのボディの輝きにしばし見とれ……。
ビカビカです。
このウロコの輝きをご覧ください!
 
初ニシンに対面する前日、市立小樽美術館内の市民ギャラリーへ行きました。
甥の習字が飾られているというので、それを見に行くためです。
待ち合わせ時刻より早く到着したので、
2階にある文学館の展示を見ることにしました。

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文学館の企画展は「違星北斗と口語短歌」。
北斗の短歌や俳句に鰊を詠んだ作品がありました。
 
 暦無くとも鰊来るのを春としたコタンの昔慕わしきかな
 
 春浅き鰊の浦や雪五尺
 
                      違星北斗
 
五尺は約150センチ。
2013年1月14日現在の小樽の積雪は72センチで
北斗の出身地余市の積雪は78センチ。
 
2月末から3月上旬にかけて積雪のピークがくることが多いので
この歌が詠まれたのは、季節がもう少し進んでからのかな、とか
はたまた豪雪の年の1月に詠まれたのかな、などと
あれこれ考えながらも、心情的には今の季節にピッタリはまった感じがします。
 
さて、たくさんのニシンを家の中へ運ぶと
猫たちがそわそわしだします。
あっ、ハイドン!

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でも匂いをかぐだけで、意外にもニシンをかじったりしません。
大きくてビビってるんでしょうか。
田代島の猫だったら、ニシンをくわえてどこかに行くでしょう。
家猫とはずいぶんちがうものです。

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そして楽しい夕食の時間です。
ニシンは獲れた当日ならばお刺身にして食べることができます。
今回のニシンは脂がのっていて、とろっとして
ブリを思わせるような舌触り、それでいてコリっとしているんですよー。
 
海の神様に感謝、漁師さんに感謝、届けてくれた友人に感謝です。
美味しいという言葉では言い尽くせない、ありがたい、といった方がピッタリかもしれません。
初ニシンを前にそう思いました。
 
初物万歳! ありがたやー! ワハハハハー!
 
 
おまけ写真です。

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ニシンが泳いでいるのは冷たい冷たい日本海。
その日本海の荒波をバックにあの人気ナメコたちが浮かび上がっているじゃないですか。
海側の空いているシートを探して車内を移動している途中で発見、
興奮のあまりシャッターを押す指が震えました。
素晴らしい出来映えですね。
絵心ある〜!