気難しいが腕の良い三毛猫のシェフがいるお店がオタルにあります。
いつもは行列ができて、なかなか入ることができないそのお店。
なぜか今日は空いていて、すんなり入ることができました。
メニューは「三毛猫シェフにすべておまかせランチ」のみ。
テーブルに着いてちょうど30分したところで
フロア担当の黒猫が手際よく料理を並べはじめました。
アカイワこんがり猫パン堂のパンが数種類、
レストランオリジナル猫印のチーズ3種盛り、
余市に住んでいるミツバチが届けてくれたハチミツに
スペイン猫ロペの農園のオリーブオイル。
二種のサラダの盛り合わせは、三毛猫シェフと黒猫が丹誠込めて栽培した野菜がたっぷり。
そして、三毛猫シェフ自慢の手捏ねメンチカツ。
食事のお供は赤ワイン。
一生懸命働いたフロア担当の黒猫は少し疲れたらしく
お客の一人の膝に乗って一休みしながらメニューの説明をしてくれました。
料理をいただいていると、そこへ三毛猫シェフが現れました。
私たちの様子を見とどけると、無言で厨房へ戻って行きました。
三毛猫シェフの空気感がなんとも……。
4人分のランチの代金は、中型カタクチイワシの干物8本と半分。
それに、ヒイラギの葉4枚。
激安です!
え、料理の味はどうだったのかって?
それはあなたが行って、ご自分の舌でたしかめて……。
この話はフィクションです。
でも、現実とそう変わりないような気もしているんですよね。