9月も半ばになりました。
日が暮れるのがぐっと早くなりましたね。
今回は北運河からぶらぶら歩いて堺町通りへ。
港に目をやれば灯りが海面にゆらゆらと。
山側に目を向ければ、消えそうな夕焼け。
街には灯りがともり、夜がはじまろうとしています。
堺町通りを歩き出すとすぐに凛々しい表情の犬が出迎えてくれました。
「ようこそ、いらっしゃいませ」
「こんばんは、おじゃましますね」
見覚えのある花のマーク。
こちらは花月堂の店舗ではありません。
小樽には古い建造物がたくさんあります。
中には、現在の店名のほかに、かつての店名をガラス戸や看板に残したままのお店も。
新旧二つの店名を見ると嬉しくなります。
新しい所有者がかつての持ち主や建物を愛していたり、敬意を払っていたり
そんな気持ちが感じられます。
勝手に想像するならば……
「よくぞこんな素敵な建物を建ててくれました。大事に使わせてもらいます!」
「いえいえ、こちらこそありがとう」
といったところでしょうか。
そんな妄想がふくらむ夜の堺町散歩。
通りにたくさん並ぶガラスのお店。
灯りの反射でいっそう美しく輝くガラスの器たち。
古い建物も灯りに照らされると陰影がはっきりして
細やかな意匠がしっかり見えてきます。
のれんをくぐる着物の男性が鳴らす
下駄の音が聞こえてくるような……(妄想中)。
シャケトバのシルエットに心を奪われ……
ガラスと灯り、石と木は
互いの良さを引き立たせるベストカップル! などと思ったり。
ガラス器にうっとりしたあとすぐに、海鮮丼に目がいってしまいます。
ロマンチックな気持ちのすぐそばに食欲があるんですね。
鹿たちの立派な角がずらり。
ちょっと怖いなと感じてしまうのは、生きている姿を思わせるからでしょうか。
いや、鹿はまだ生きている!!……(妄想中)
小樽でオオカミの遠吠えが聞こえたらここからです。
(妄想中。面倒なので以下省略します)
夜のホルスタイン。驚きっぱなしです。
猫もいました。
めずらしく真面目て働きもののようです。
ガラスのお店。
やわらかな影は、お店からこぼれてくるガラスの器やグラスのもの。
うつろな目の豚がいました。
働き過ぎでしょう。お疲れさま。
お寿司やさんの池には金魚や鯉が。こちらは元気!
籠の鳥。
人気がなくなった真夜中に籠を抜け出すと言っていました。
たくさんの観光客が腰掛けたベンチ。この時間は壁にもたれてひと休み。
「ふ〜、今日も働いたな、俺」
HEART TREEは、HEART TREE。
昼とは表情が違うマリーゴールド。
私は夜の顔の方が好き……
ぶらぶらしているうちに堺町通りが終わっていました。
ふと横を向けば五角形の屋根の建物が。
壁にヒゲの生えた猫の顔が見えたような見えないような……。
犬、オオカミ、鹿、猫、豚、鳥、牛……。
堺町通りの夜の動物園。
けっこうオススメです。
さてさて、夜の小樽猫はと言えば……。
「今日はご主人の帰りが遅いニャー。
あ、耳がかゆい!
今度ボクも堺町動物園に連れていってニャ♪
妄想?
猫にだってできるにきまってるじゃニャイ!
ていうか、得意だし!」
だそうです……。